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昆虫生理機能学研究室の齊藤準准教授、日本蚕糸学会賞受賞

この度、野蚕における色彩関連物質の生理機能に関する研究成果が認められ、日本蚕糸学会賞受賞となりました。

受賞テーマ:野蚕における色彩関連物質の生理機能に関する研究

(内容)野蚕の体色などの色彩表現は自然環境下における生存・繁殖生存戦略において極めて重要なを担う表現形質と言えます。野蚕を含む多くのチョウ目幼虫は共通して緑色の体色を持つことが多いのですが、これは寄主植物体上での保護色として機能するものと言われています。この緑色形成には、テトラピロール系の青色色素ビリン(ビリベルジン, フォルカビリン, サーペドビリン)が関与しており、これらはさらに酸化ストレスに対する抗酸化作用も有する可能性を指摘しました。さらに、緑色の体色を持つエリサンからは2種類のビリン結合タンパク質のインセクトシアニンを,単離・精製しててこれらが体組織内で異なった局在性を持つこと,体色が黄色を呈するエリサンからは異なるタイプのビリベルジン結合タンパク質の存在も明らかにすることで,その生理機能の違いを検討してきました。これらの研究成果は、昆虫の色彩による適応戦略の分子レベルでの解明につながるものと期待されています。

令和7年度 日本蚕糸学会賞受賞記念講演