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ミトコンドリアで働くMpv17のショウジョウバエホモログdMpv17の神経細胞特異的ノックダウンにより、運動機能障害が引き起こされることを明らかにしました。

染色体工学分野の博士後期課程小谷篤さん、Man Anh Huynhさん、博士前期課程山口瑞季さん、学部伊藤凜々香さんと吉田英樹准教授らは、神経細胞特異的なdMpv17ノックダウンが、ミトコンドリアの機能低下を誘導し、運動機能障害を示すことを明らかにしました。

Mpv17 遺伝子の変異は、神経学的病変を示すMPV17関連肝脳型ミトコンドリアDNA 枯渇症候群(MDDS)やシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)の原因となりますが、神経症状を再現したモデル生物は存在しませんでした。そこで、ショウジョウバエにおいて、Mpv17 遺伝子の機能低下による神経症状を再現すべく、Mpv17の相同遺伝子を神経細胞でノックダウンしました。その結果、患者で見られる症状とよく似たミトコンドリアの機能低下を伴う運動機能障害が再現され、MDDSやCMTの解析系になり得る可能性が示されました。

A Drosophila model of the neurological symptoms in Mpv17-related disease. Kodani A, Yamaguchi M, Itoh R, Huynh MA, Yoshida H. Scientific Reports. (2022)12(1):22632. doi: 10.1038/s41598-022-27329-x. PMID: 36587049