sp_menu

ATP結合カセットタンパク質Aを標的とした新しい自閉症スペクトラム障害(ASD)モデルショウジョウバエの作製に成功  ― 治療薬の開発にも有用 ―

 自閉症スペクトラム障害(ASD)は、対人コミュニケーションに困難さがあり、限定された行動や興味、反復行動が見られる障害です。近年ASDに関連する多くの遺伝子が明らかにされ、動物モデルの開発が進みつつあります。染色体工学研究分野の山口政光教授と修士課程大学院生上岡伊吹さんらは、大日本住友製薬株式会社ゲノム科学研究所や神戸大学尾崎まみこ教授らのグループと協力して、自閉症スペクトラム障害モデルショウジョウバエの作製に成功しました。このASDモデルショウジョウバエは、社会的距離が増加(孤独を好み)し、サーカディアンリズムの変化(活動量の増加)を示します。また神経・筋接合部の形態異常が見られます。今後治療薬の開発にも利用できる有用なショウジョウバエモデルです。本研究は2017年10月29日に、学術雑誌Experimental Neurologyにオンラインリリースされました(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001448861730287X)。